30代・40代・50代からのWeb・グラフィックデザイナーの目指し方【実例あり】

30代・40代・50代からのWeb・グラフィックデザイナーの目指し方【実例あり】

30代・40代・50代からWeb・グラフィックデザイナーを目指すとき、気になるのは「今からでも遅くないか」「未経験でも仕事にできるのか」ではないでしょうか。

結論からいうと、年齢だけでデザイナーを諦める必要はありません。 ただし、30代・40代・50代では、転職・副業・デザインを使う仕事など、現実的な入り口は少しずつ変わります。

私がこれまで見てきた中にも、30代から副業でデザインの仕事を始めた人、40代でWeb制作会社へ転職した人、50代からPhotoshopを学んでECサイトの画像制作をする仕事へ転職した人がいます。

この記事では、年代ごとの目指し方と実例を紹介しながら、これまでの仕事経験をどうデザインにつなげるかを、デザイナー歴26年・現役講師の立場から解説します。

りす先生
りす先生

年齢が上がるほど、20代と同じルートを目指す必要はありません。これまでの経験にデザインを足すことで、仕事の選択肢が見えてくることもあります。

Web・グラフィックデザイナーは何歳からでも目指せる?

Web・グラフィックデザイナーになること自体に、決まった年齢制限はありません。

ただし、年齢が上がるほど「未経験からデザイナーとして転職する」という入り方は難しくなります。 20代と同じように、未経験OKの求人だけを探せばいいわけではありません。

一方で、デザインの仕事は制作会社への転職だけではありません。

企業のWeb担当やインハウスデザイナー、ECサイトの画像制作、販促物の制作、副業など、IllustratorやPhotoshop、Web制作のスキルを活かせる仕事はいろいろあります。

私が講師として見てきた中でも、30代・40代・50代では、仕事につながったルートがそれぞれ違います。

30代では、今の仕事を続けながら副業からデザインの実績を作った人がいます。40代では、未経験から学習してWeb制作会社へ転職した人もいます。50代では、Photoshopを学び、オリジナルプリントTシャツを扱う会社へ転職して、ECサイトの画像制作をしている人もいます。

年齢が上がるほど大切になるのは、これまでの職歴をリセットしてゼロから競争するのではなく、今までの経験にデザインスキルを加えて仕事を探すことです。

そのため、「30代だから遅い」「50代だから無理」と年齢だけで判断するより、自分の年代ならどんな入り方が現実的かを考えた方が仕事につながりやすくなります。

ここからは、30代・40代・50代に分けて、実際の例も紹介しながら目指し方を見ていきます。

りす先生
りす先生

私が見てきた人たちも、全員が同じ方法でデザイナーになったわけではありません。年代によって、転職・副業・これまでの仕事を活かす方法を使い分けるのがおすすめです。

30代からWeb・グラフィックデザイナーを目指す場合

30代からWeb・グラフィックデザイナーを目指す場合

30代からWeb・グラフィックデザイナーを目指すなら、転職だけに絞らず、副業で実績を作りながら仕事につなげる方法もあります。

20代と比べると未経験転職では年齢を見られる場面も出てきますが、30代にはこれまでの仕事で身につけた経験があります。接客、営業、事務、販売など、一見デザインとは関係なさそうな経験でも、クライアントとのやり取りや提案、スケジュール管理などで役立ちます。

一方で、デザインの仕事をしたことがない場合は、年齢より先に**「実際にどのくらい作れるのか」**を示せるようにしておくことが大切です。

IllustratorやPhotoshopなど必要なツールを学び、オリジナル作品を作ってポートフォリオにまとめる。転職を目指す場合も、副業から始める場合も、この準備は共通しています。

今の仕事をすぐ辞める必要はありません。働きながら学習して、まずは小さな案件から経験を積み、「デザインを仕事にした実績」を作ってから次の働き方を考える方法もあります。

30代の実例|会社員を続けながら副業を始めたFさん

  • 年齢:33歳
  • 職業:事務職(会社員)
  • デザイン経験:完全にゼロ
  • 学習スタイル:平日は仕事、土日と夜の時間で学習

私が教えていたFさんも、会社員として働きながらデザインを学び始めました。

仕事が終わったあとに練習を続け、最初に仕事として制作したのは美容室のPOPです。その後はクラウドソーシングなども利用しながら、病院のポスター、ベビーシッターのチラシ、SNS画像、Webバナー、Canvaを使ったノーコードサイト、ロゴなど、少しずつ制作経験を増やしていきました。

最初から「デザイナーへ転職する」と決めて仕事を辞めたわけではありません。

今の仕事を続けながら学び、できる仕事から実績を作っていったのがFさんの進み方です。

30代は、転職するか副業から始めるかを最初から一つに決めなくても大丈夫です。

まずはデザインを作れる状態まで学び、実際の仕事を経験してみる。そのうえで、今の仕事を続けるのか、転職するのか、副業を育てるのかを考える方が、自分に合う働き方を判断しやすくなります。

りす先生
りす先生

30代なら「転職しなければデザイナーになれない」と考えなくても大丈夫です。働きながら学んで、まず副業で仕事を経験してみる方法もあります。実際に作って仕事にしてみると、自分がこの仕事を続けたいかも見えてきます。

40代からWeb・グラフィックデザイナーを目指す場合

40代からWeb・グラフィックデザイナーを目指す場合

40代から未経験でWeb・グラフィックデザイナーを目指す場合は、これまでの仕事経験を活かしながら、デザインスキルを身につけていくことが大切です。

40代になると、未経験者としてデザインだけで評価してもらうよりも、「これまでどんな仕事をしてきたか」「その経験を新しい仕事でどう活かせるか」まで含めて見られることが増えます。

接客や営業なら、相手の要望を聞いて提案する力。事務や管理業務なら、スケジュール管理や正確に仕事を進める力。異業種で長く働いてきた経験も、デザイナーになったら無駄になるわけではありません。

そのうえで、Photoshop、Web制作などを学び、ポートフォリオで「今どのくらい作れるのか」を見せられる状態にする必要があります。

40代だから転職できないと決める必要はありませんが、年齢だけではなく、これまでの経験と新しく身につけたスキルをセットで伝えることが重要です。

40代の実例|未経験からWeb制作会社へ転職したSさん

  • 年齢:41歳
  • 前職:介護職
  • デザイン経験:完全にゼロ
  • 目標:制作会社へ転職

私が知っているSさんは、40代で未経験からデザインを学び、Web制作会社への転職につなげました。

それまでデザイナーとして働いた経験はありませんでしたが、学習しながら作品を作り、ポートフォリオを準備して転職活動を進めています。

40代からの転職では、「若い人と同じ条件で競わなければ」と考えてしまいがちですが、実際にはこれまで社会人として働いてきた経験も、その人の強みになります。

制作会社の仕事では、デザインだけができればいいわけではありません。クライアントや社内の人とやり取りをしたり、納期を守ったり、修正に対応したりと、仕事を進める力も必要です。

Sさんの例は、40代からでも、必要なスキルを身につけて作品を準備し、未経験からWeb制作の仕事へ進んだ実例です。

もちろん、40代なら誰でも同じように転職できるという意味ではありません。求人の条件やこれまでの経験によっても違います。

ただ、「40代だから遅い」と年齢だけで諦める必要はないことは、実際の例からも感じています。

りす先生
りす先生

40代から目指すなら、これまでの職歴を「デザインとは関係ないから」と捨てないでください。社会人として積み重ねてきた経験に、デザインスキルをプラスして見せることが大切です。

50代からWeb・グラフィックデザインの仕事を目指す場合

50代からWeb・グラフィックデザインの仕事を目指す場合

50代からデザインの仕事を目指すなら、「Webデザイナー」「グラフィックデザイナー」という職種名だけにこだわらず、デザインスキルを使える仕事まで広げて探すのがおすすめです。

50代になると、未経験から制作会社へ転職する求人はさらに限られます。一方で、企業の中には、ECサイトの商品画像、販促物、バナー、SNS画像、商品デザインなど、IllustratorやPhotoshopを使う仕事があります。

こうした仕事は、求人票に「デザイナー」と書かれていないこともあります。

だから50代では、肩書きよりも「実際にどんな制作をする仕事なのか」を見ることが大切です。

これまでの仕事経験に加えて、新しく身につけたデザインスキルを使える仕事を探すことで、選択肢が見つかることがあります。

50代の実例|52歳からPhotoshopを学んで転職したGさん

  • 年齢:52歳
  • 前職:パート
  • デザイン経験:少し
  • 目標:フォトショップを使った職へ転職

私が知っている方は、パートとして働いていた52歳のときにPhotoshopを学び始めました。

それまでデザイナーとして働いた経験はありませんでしたが、学習後にオリジナルプリントTシャツを扱う会社へ転職しています。

現在は、ECサイトで使用する商品画像などの制作を担当しています。

この方の場合も、「未経験からデザイン制作会社のデザイナーになる」という道ではありませんでした。

Photoshopを使えるようになり、そのスキルを必要としている会社へ転職したという形です。

50代から目指す場合は、若い人と同じ求人だけを探すより、

  • ECサイトの商品画像制作
  • 販促物や店頭POPの制作
  • SNS・Web用画像の制作
  • インハウスの制作業務
  • 印刷・商品制作に関わる仕事

など、デザインスキルを使える仕事まで視野を広げてみてください。

「デザイナー」という肩書きが付いているかどうかより、身につけたスキルを実際の仕事で使えるかで探す方が、50代では現実的だと思います。

りす先生
りす先生

52歳からPhotoshopを学んで転職し、今はECサイトの画像制作をしている方もいます。50代では職種名にこだわりすぎず、「このスキルを使える仕事はどこにあるか」という目線で探してみてください。

年代が上がるほど「これまでの経験×デザイン」で考える

年代が上がるほど「これまでの経験×デザイン」で考える

30代・40代・50代からデザインの仕事を目指すなら、これまでの職歴をいったん横に置いて、デザインだけで勝負しようとしない方がいいです。

年齢が上がるほど大切になるのは、今までの仕事で身につけた経験に、デザインスキルを組み合わせることです。

たとえば、営業や接客の経験があるなら、相手の要望を聞いて提案する力があります。販売経験があるなら、商品をどう見せれば売れやすいか、どんなPOPや販促物が必要かを理解しやすいです。

事務や管理業務の経験があれば、スケジュール管理や社内調整、正確に仕事を進める力が活かせます。ECや商品販売に関わったことがある人なら、商品画像やバナー制作との相性もいいです。

デザイナーの仕事は、きれいなものを作るだけではありません。

誰に、何を、どう伝えるかを考えて、相手の目的に合わせて形にする仕事です。

そのため、これまで別の仕事で経験してきたことが、そのままデザインの仕事で強みになることがあります。

30代・40代・50代から目指す場合は、

「今までの仕事を捨ててデザイナーになる」ではなく、
「今までの経験にデザインを足して仕事の幅を広げる」

と考えてみてください。

私が見てきた実例も、進み方はそれぞれ違います。

30代のFさんは、会社員を続けながら副業でデザインの仕事を始めました。40代のSさんは、学習とポートフォリオ制作を経てWeb制作会社へ転職しています。50代の方は、パート経験からPhotoshopを学び、ECサイトの画像制作をする仕事へ進みました。

共通しているのは、年齢に合わせて「デザイナーになる方法」をひとつに決めつけていないことです。

年齢が上がるほど、これまで積み重ねてきた経験があります。そこを弱みにするのではなく、デザインと組み合わせて使える場所を探すことが、仕事につなげるうえで大切です。

りす先生
りす先生

30代以降は、今までの仕事経験をゼロに戻す必要はありません。接客、営業、販売、事務など、これまでやってきたことにデザインを足すと、自分に合う仕事が見つかりやすくなります。

年齢に関係なく準備しておきたいこと

年齢に関係なく準備しておきたいこと

30代・40代・50代で目指し方は変わりますが、仕事につなげる前に準備しておきたいことは共通しています。

年齢よりも先に見られるのは、「何を作れるのか」「仕事としてどこまで任せられそうか」です。

必要なツールを使って自分で制作できるようにする

グラフィックデザインなら、Illustrator・Photoshop。Webデザインなら、PhotoshopやFigmaなど、目指す仕事で使うツールを身につけます。

ただし、操作方法を覚えるだけでは足りません。

チラシ、バナー、Webサイトなどを、ターゲットや目的を考えながら白紙の状態から自分で作れるところまで練習することが大切です。

すべての機能を覚える必要はありません。実際の制作でよく使う機能を覚えながら、作品を作って身につけていけば大丈夫です。

ポートフォリオで今の制作力を見せられるようにする

就職・転職を目指すなら、年齢に関係なくポートフォリオは重要です。

特に未経験の場合は実務経験がないため、採用側は作品を見て制作力を判断します。

グラフィックならチラシ、ポスター、パンフレットなど。WebならバナーやWebサイトなど、自分が目指す仕事に近い作品を入れておくと、何ができるのか伝わりやすくなります。

実案件がなくても、架空案件で構いません。

大切なのは見た目だけではなく、「誰に向けて作ったのか」「何を伝えたいのか」「なぜこのデザインにしたのか」まで考えて制作することです。

\あわせて読みたい/
👉 ポートフォリオの作り方

年齢を気にするより「今できること」を増やす

30代・40代・50代から目指す人ほど、「この年齢から始めても遅いのでは」と考えてしまうことがあります。

でも、年齢そのものは変えられません。

それよりも、

  • 作品を1つ増やす
  • ツールを使えるようにする
  • 添削を受けて作品を直す
  • ポートフォリオを完成させる

といった、今から変えられることに時間を使う方が仕事にはつながります。

就職・転職を考えている人は、求人を見つけてから準備するのではなく、いつ応募したい求人が出ても動ける状態まで先に準備しておくのがおすすめです。

グラフィックデザイナーへの未経験転職については、必要なスキルや求人の探し方、採用側が見ているポイントまで別の記事で詳しくまとめています。

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👉 グラフィックデザイナーは未経験だと厳しい?就職・転職する方法を採用経験者が解説

りす先生
りす先生

「何歳だから」よりも、今どこまで作れるかの方が大切です。まずは作品を作れるところまで学んで、自分の制作力を見せられる状態にしておきましょう。

就職・転職だけでなく副業から始める方法もある

就職・転職だけでなく副業から始める方法もある

30代・40代・50代からデザインの仕事を目指すなら、いきなり今の仕事を辞めて転職する必要はありません。

まずは今の仕事を続けながら、副業で小さな案件に挑戦する方法もあります。

副業から始めるメリットは、実際の仕事を経験しながら、

  • 自分がデザインの仕事を続けたいか
  • どんな制作が得意か
  • クライアントとのやり取りに向いているか
  • どのくらいの時間で制作できるか

を確認できることです。

未経験の段階では、作品を作る練習と、実際に依頼を受けて制作する仕事には違いがあります。

納期があったり、修正依頼があったり、相手の要望に合わせてデザインを変えたりする経験は、実案件でないと分からない部分もあります。

そのため、転職を考えている人でも、先に副業で実案件を経験しておくと、ポートフォリオに載せられる作品や仕事の進め方について話せることが増えます。

特に30代以降は、これまでの仕事や生活をすべて変えてから挑戦するよりも、今の収入を維持しながら少しずつデザインの仕事を増やしていく方法も現実的です。

副業を続けていく中で、

「もっとデザインの仕事を増やしたい」
「制作会社で経験を積みたい」
「このまま副業として続けたい」

と、自分に合う方向が見えてくることもあります。

Web・グラフィックデザインの副業をどう始めるかは、別の記事で詳しくまとめています。

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👉 Web・グラフィックデザイン副業の始め方|未経験から仕事につなげる方法を現役講師が解説

りす先生
りす先生

転職するか迷っているなら、まず副業で実際の仕事を経験してみるのもおすすめです。仕事としてやってみると、自分がこの先どんな働き方をしたいのかも見えやすくなります。

まとめ|30代・40代・50代では目指し方を変える

30代・40代・50代では目指し方を変える

30代・40代・50代からでも、Web・グラフィックデザインの仕事を目指すことはできます。

ただし、どの年代でも同じ方法が向いているわけではありません。

30代なら、転職だけでなく副業から実績を作る方法もあります。40代では、これまでの社会人経験と新しく身につけたデザインスキルを組み合わせて見せることが大切です。50代では、「デザイナー」という職種名だけに絞らず、ECサイトの画像制作や販促物制作など、デザインスキルを使える仕事まで広げて探す方が現実的です。

私が見てきた中でも、30代で会社員を続けながら副業を始めた人、40代でWeb制作会社へ転職した人、52歳からPhotoshopを学んでECサイトの画像制作をする仕事へ転職した人がいます。

共通しているのは、年齢を理由に諦めるのではなく、自分の年代に合った入り口を選んでいることです。

そして、どの年代でも必要なのは、実際に制作できるスキルと、自分の制作力を見せられる作品です。

「今からでは遅いか」を考え続けるより、まずは1つ作品を作る。ツールを覚える。ポートフォリオを少しずつ整える。できることを増やしていく方が、仕事につながる可能性は高まります。

りす先生
りす先生

30代・40代・50代、それぞれに合う進み方があります。今までの経験を捨てずに、そこへデザインを足していく。その視点を持つと、選べる仕事は見つけやすくなります。