今からWeb・グラフィックデザイナーを目指しても遅くない?現場で感じたリアルな本音

デザインに興味を持っても、年齢やAIの進化を考えると「今から勉強を始めて、仕事にできるのかな」と気になるところだと思います。

私がデザイナーになった頃に比べれば、今は学ぶ方法も使えるツールも増えて、ずいぶん始めやすくなりました。

でも、SNS広告で見かけるように「1か月学べばデザイナーになれる」ほど単純でもありません。

今から目指しても遅くないのか。年齢は関係するのか。AIがこれだけ進化しているのに、デザインを学ぶ意味はあるのか。

長くデザインの仕事をしてきた経験と、今スクールで初心者を見ていて感じることを交えながらお話しします。

りす先生
りす先生

デザイナー歴26年、現役でデザインスクール講師もしているスクエアワークスの中の人です。長くデザインの仕事をしてきた経験と、今の初心者を見ていて感じることの両方から、できるだけ分かりやすくお話ししますね。

【結論】今からデザイナーを目指しても遅くない!

今からWeb・グラフィックデザイナーを目指すこと自体は、遅くありません。

むしろ私がデザイナーになった頃より、デザインを始めるための選択肢はずっと増えています。

独学でも学べますし、オンラインスクールを利用することもできます。仕事や家事を続けながら、自分のペースで始めることもできるようになりました。

ただ、始めやすくなったことと、簡単に仕事にできることは別です。

デザインツールの操作を覚え、デザインの基礎を学び、自分で考えて作品を作る。その作品を見直して修正し、仕事を目指すならポートフォリオも準備する。

ここまでには、ある程度の時間が必要です。

年齢によって目指し方が変わることもありますし、AIによってデザイナーの仕事そのものも変わっています。

だから「今からでは遅い?」だけで判断するより、今の環境に合わせて、どう学び、どう仕事につなげるかを考えることの方が大切です。

私がデザイナーになった頃より、今はずっと始めやすい

私がデザイナーになった頃は、今のようにYouTubeやSNSで簡単にデザインを学べる時代ではありませんでした。

分からないことがあれば本で調べる、人に教えてもらう、上手な人の仕事を見て覚える。あとは自分で考えて、作って、失敗しながら身につけていくしかありませんでした。

今は本も充実していますし、YouTubeやSNSにもたくさんの情報があります。

オンライン教材もあれば、デザインを順番に体系立てて学べるスクールも増えました。IllustratorやPhotoshopだけでなく、CanvaやFigmaなど、使えるツールも本当に多くなっています。

「デザインってどんなものだろう?」と思ったら、とりあえず触ってみることもできます。

これは昔と比べると大きな違いです。

私自身、今の学習環境を見ていると「こんなにいろいろな方法で学べるのはいいな」と思います。

ただ、学べる場所やツールが増えたからといって、デザインそのものが簡単になったわけではありません。

デザイナーに「1か月」でなれるわけではない!

SNSを見ていると、「未経験から1か月でWebデザイナー」といった広告を見かけることがあります。

もちろん1か月でも、ツールの操作を覚えたり、デザインの基礎に触れたりすることはできます。

でも実際に初心者へデザインを教えていると、1か月はツールの操作を覚えるだけでもかなり忙しいと感じます。

IllustratorやPhotoshopを触ったことがないところから始めれば、まずは思い通りに操作するだけでも大変です。

さらに仕事ではデザインの基礎に加え、

  • 誰に向けて作るのか
  • 何を一番伝えたいのか
  • 情報をどう整理するのか
  • どこを目立たせるのか
  • 修正の指示を受けて、どう改善するのか

といったことまで考える必要があります。

スクールで初心者を見ていても、ツールを覚えたあとに「自分で考えてデザインする」もう一段階があると感じます。

短期間で大きく伸びる人はいます。

でも、「1か月勉強したから、翌月にはデザイナーとして仕事を任せてもらえる」と考えるのは少し違います。

デザインは、作って、見直して、直して、また作る。

その繰り返しで少しずつ身についていくものです。

AI時代でも、今からデザインを学ぶ意味はある?

デザイナーの仕事は、私が始めた頃からずっと同じだったわけではありません。

紙の広告や印刷物が中心だった時代からWebが増え、SNSやECが広がり、使うツールも変わってきました。

そして今、大きく変えているのがAIです。

AIを使えば、画像も文章もかなり簡単に作れるようになりました。これから先、AIにできることはもっと増えていくと思っています。

それでも私は、AI時代だからこそデザインの基礎は身につけておいた方がいいと思っています。

そもそもデザインが分からなければ、AIが作ったものの良し悪しを判断できないからです。見た目はそれなりに整っていても、

「この写真、本当にお店の雰囲気に合ってる?」
「なんとなく気持ち悪くない?」
「このデザインを見て、この店に行きたいと思う?」
「ブランドのイメージを壊していない?」

というところまでAI任せにしてしまうと、結果につながらないことがあります。

実際、身近なお店でもAI画像を使ったチラシを見て、「これは逆にお客さんが離れそうだな……」と感じることがあります。

周りから「なんか気持ち悪いね」と言われていて、せっかく簡単に作れても、お店の印象まで悪くしてしまっている。

これは、もったいないですよね。

経営者から「もうデザインもAIでいい」と聞くこともあります。

でも、会社やお店が出すデザインは、その会社自身の印象になります。

AIで作ったとしても、最終的にそのデザインを選んだ人の判断まで含めて見られるということは忘れない方がいいと思います。

だから「AIかデザイナーか」ではありません。

私自身も、仕事ではAIをかなり使っています。

  • 大量の情報を整理する
  • キャッチコピーやアイデアのたたき台を出す
  • 記事やページの構成を考える
  • 文章を整理する
  • 誤字脱字や確認漏れをチェックする

といった作業は、AIに手伝ってもらうことでかなり楽になりました。

でも、何を採用するか、何を直すか、最終的に良いか悪いかを決めるのは自分です。

ツールが使えることと、デザインができることは別。AIを使えることと、AIが作ったものを判断できることも別です。

これからデザイナーを目指すなら、「AIに仕事を取られるからやめておこう」ではなく、デザインの基礎を身につけながらAIも使えるようになる。

そんな「デザイン+AI」が、これから一つの大きな強みになっていくと考えています。

30代・40代・50代からデザイナーを目指しても遅くない?

「今から遅い?」と考える理由が、年齢という人も多いと思います。

デザインを学ぶこと自体に、何歳までという決まりはありません。

ただし、30代・40代・50代で、まったく同じ目指し方になるわけでもありません。

30代で未経験から転職を目指すなら、これまでの経験も活かしながら、ポートフォリオを作って転職活動を進める方法があります。

40代になると、未経験正社員への転職だけに絞るより、今までの仕事とデザインを組み合わせたり、副業から始めたりする方法も考えておきたいところです。

50代でもデザインを学ぶことはできます。ただ、「未経験からデザイナー職へ転職する」だけをゴールにせず、今の仕事や自分の事業にデザインを活かすなど、使い方を広く考えた方が現実的な場合もあります。

年齢だけを見て「もう遅い」と決めるより、

デザインを学んだあと、どんな働き方をしたいのか。

ここから逆算して考えることが大切です。

年代ごとの転職や働き方については、それぞれ事情が違うので、別の記事で詳しく紹介しています。

今からデザイナーを目指すなら、まず仕事を知るところから始めよう

デザイナーに興味を持ったからといって、いきなりスクールへ申し込んだり、高いパソコンやソフトをそろえたりする必要はありません。

まずは、Webデザイナーやグラフィックデザイナーが、どんな仕事をしているのか知るところからで大丈夫です。

仕事内容を見てみると、

「Webサイトやバナーを作る方が楽しそう」
「紙の広告やパッケージの方が好きかも」

と、自分が興味を持てる方向も少しずつ見えてきます。

Webとグラフィックのどちらを目指すか決めてから、独学で進むのかスクールで学ぶのか、どんなスキルが必要なのかを考えていけばOKです。

Designers Guideでは、未経験からデザイナーを目指す流れを6STEPに分けています。

最初のSTEPは、「仕事を知り、目指す分野を決める」こと。

「今からでは遅いかな」と考え続けるより、まずは自分がどんなデザインの仕事に興味を持てそうか、のぞいてみるところから始めてみてください。

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まとめ|今から遅いかより「これからどう学ぶか」が大切

今からWeb・グラフィックデザイナーを目指すこと自体は遅くありません。

昔に比べれば、デザインを学ぶ方法も使えるツールも増え、未経験から始めやすい環境になりました。

ただし、1か月勉強すればすぐデザイナーになれるほど簡単な仕事でもありません。

年齢によって目指し方は変わりますし、AIによって仕事の内容もこれから変わっていくでしょう。

だからこそ大切なのは、ツールの操作だけではなく、誰に何を伝えるかを考え、自分で作ったものの良し悪しを判断して修正できる力を身につけていくことです。

デザインに興味があるなら、まずはどんな仕事なのか知るところから。

そのうえで、自分の年齢や生活、目指したい働き方に合う進み方を考えていきましょう。

りす先生プロフィール
りす先生
りす先生

スクエアワークス中の人です。

  • デザイナー歴26年(グラフィック・Web)
  • 現役デザインスクール講師
  • 会社員時代部署のトップ、採用立場経験あり

高校卒業 → 専門学校3ヶ月で中退(ほぼ行ってない)→ 運良く広告代理店の制作部に入社 → グラフィックデザイナーとしてフリーランスになる → Webデザインを学ぶ → 現在:グラフィック・Webデザイナーフリーランス兼スクール講師